2度の首位打者経験を誇るロッテ角中勝也外野手(35)が、適時打2本を含む3安打で存在感を見せた。

2回に右前へ落とす適時打を放つと、3回には左翼へ安打。5回にも二塁への適時内野安打を放った。「今年の中では一番いいっすね。勝負できているというか」。楽天田中将との通算対戦打率はこれで3割4分9厘に。20年9月18日以来の3安打、お立ち台では「いや、めちゃくちゃうれしいです」と素直に喜んだ。

5回2死三塁では、外角直球をしぶとく転がし、二遊間への内野安打になった。「一番自分の中では良かった打席ですね」と振り返る。そのココロは。

「見た感じ、しょぼい内野安打ですけど、楽天は自分の時はあそこ空いているので。あそこに打とうと思ってたので。もうちょっと強くセンターに抜ければ良かったですけど。ほぼイメージ通りでしたね」

最近は1死三塁を想定して打撃練習に集中して取り組んでいると話す。「内野フライだけ消して。内野フライを消すような感じで」。2回はまさに1死三塁。「いきなりそのパターンやったんで、逆にちょっと緊張したんですけど」。そこで結果を残せるのが、さすがの技量だ。

バットマンは日々の勝負を描きながら、もちろんこの先も描く。ペナントレースは残り18試合。お立ち台では「チーム的には、もう本当に2敗くらいしかできないので、全部勝つつもりで」と口にした。

「ちゃんと計算したわけじゃないですけど、ざっくり見たら多分それくらいしか。上もどれだけ勝つか分からないですけど、2敗、3敗くらいしかできないと思うので。みんな分かってると思うので」

3連勝で借金2。それでも上位チームがひしめき合い、ゲーム差は簡単には縮まらない。ベテランがファンに言葉として出した「2敗くらいしかできない」の現実。そんな背水で勝ち、つないだ。【金子真仁】