広島森浦大輔投手(24)が、残り3試合全登板を誓った。ここまでチーム最多タイの48試合に登板。9月10日ヤクルト戦からは4戦連続でイニング途中に送りこまれるなど、“火消し”としての存在感が日ごとに増してきた。現在7連投中の中継ぎ左腕がシーズン残り3戦に全登板すれば、過去5人が記録しているリーグ記録に並ぶ。昨季チーム最多登板の2年目リリーバーが記録を視野にブルペンで備え続ける。

 ◇    ◇   

先発がつくったピンチによって、球場にイヤな雰囲気が漂うこともしばしばある。ただ、最近はそれを振り払う男がいる。2年目左腕の森浦だ。直近8試合で、5試合、イニング途中に送りこまれている。そのいずれも火消しに成功し、存在感を増している。自身も役割を理解し、「(試合の)早い段階から準備を始めているので、しっかり準備できている」と早めに備えている。

■シーズン終盤は火消しとして存在感増

シーズン終盤だったこともあり先発を早い段階で見切る試合が続いていた。5回や6回に先発がピンチを招くと、シーズン序盤は先発を引っ張っていた。しかし最近は佐々岡監督が早めに動く。そして送りこまれるのが森浦。高橋投手コーチは「役割分担ができている」と、火消しとしての期待を寄せている。

■新球種スライダーをシーズン中に解禁

快投を支えているのは新球種スライダーだ。開幕当初は投げていなかったが「練習したら投げられた」と解禁。「全然曲がらなかったが、曲がるようになったので使えるようになった。気を付けながら投げている。(持ち球が増えて)少し楽に投げられるようになった」とパターンが増えたことにほほえむ。

■リーグ記録の10連投にあと「3」

試合がない日などをはさんではいるが、現在7連投中。このまま29、30日ヤクルト戦と、最終戦の10月2日中日戦のすべてに登板すれば、今季は10連投フィニッシュとなる。10連投は過去5人いるリーグ記録で、直近近では19年に巨人時代の田口が記録している。記録に向けての大型連投も「全然大丈夫。日にちも空いているので、投げられると思います」と辞さない姿勢だ。

■新人から2年連続50試合登板へ

昨季もルーキーながらチーム最多の54試合に登板した左腕。現在48試合登板で開幕前に「50試合以上投げられたら」と目標に置いていた2年連続50試合登板も視野に入る。森浦の存在は先発投手にとってもチームにとっても大きなものだ。【前山慎治】