楽天西口直人投手(25)が、飛躍を遂げた。今季は自己最多の61試合に登板し4勝0敗、防御率2.26。34ホールドポイントはリーグ3位タイ。1差で最優秀中継ぎのタイトルを逃したが、勝ちパターンの地位を確かなものとした。

「昨年1年、1軍で33試合投げさせていただいて、今年も投げさせていただく中で、今までとは比べ物にならないくらい、いろんな経験をさせてもらえた。失敗を次に生かせるように同じようなシチュエーションが来た時には同じ轍(てつ)は踏まないようにしようと思いながら常にやってきた。それがいい方向に向いているんじゃないかなと思います」と手応えをつかんだ表情だ。

失敗が飛躍を促した。3月20日、オープン戦の巨人戦。2点リードの8回にマウンドへ上がった。2死走者なしで打席には岡本和。カウント1-2と追い込んでから、カーブが高めに浮き、左翼スタンド中段へと運ばれた。「ちょっと安易にいってしまったというか…。カーブを選択して投げるところですごく後悔してしまったので、カーブという球に対する慎重さは自分の中では上がったのかなと思います。慎重に使うようにしようと思えた」。2ストライクにしてから、打者をどう仕留めていくか。カウント有利でも、慎重に攻める。「追い込んでから打たれるのがもったいないというか、後悔がすごく残る。2ストライクからは意識を持って投げています」と話す。

16年ドラフト10位で入団。学生時代の注目度は決して高くなかったが、チームのブルペンには欠かせない投手へと成長した。「松井(裕樹)さんにつなぐというところで自分が0に抑えてそのあと松井さんが0で抑えて試合に勝った時とかに松井さんとかが一緒に喜んでくれるので、それが自分の中ではやりがいというかうれしい瞬間ではありますね」。守護神へつなぐ存在として、セットアッパーとしての手応えをつかんだ。

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