ドラフトでも、やっぱりBIGサプライズ! 日本ハムが“ダブル逆輸入指名”に成功した。

新庄剛志監督(50)がラブコールを送っていた米国出身の加藤豪将(ごうすけ)内野手(28=メッツ傘下3A)を3位指名。さらに、育成3位で日本の学校に通ったことのない無名の逸材・山口アタル外野手(23=テキサス大タイラー校中退)を指名した。球場でのファンサービス同様、初出席のドラフト会議でも周囲を驚かせた。

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指名の瞬間、思わずガッツポーズが飛び出した。新庄監督が初参加のドラフト会議で、サプライズを敢行した。シーズン中から熱望していたメッツ傘下3Aの加藤を“逆輸入指名”。「うれしかったです」と大興奮も冷めないうちに、育成3位では無名の山口も“逆輸入指名”で驚かせた。

山口はカナダ・バンクーバーで、日本人の父とカナダ人の母との間に生まれた。日本ハム清宮とは、12年のリトルリーグ世界大会で、カナダ代表として対戦した縁がある。もともとは右投げ右打ちの投手だが、右肘手術を受け、今季は大学リーグで3試合の登板のみ。野手に転向したばかりだというが、球団が実施した入団テストでは「スイングの強さと速さがずぬけていた」(大渕スカウト部長)と、首脳陣のハートを射止めた。

一方の加藤は実績十分。両親は日本人だが、米国で生まれ、MLBドラフトでヤンキース入り。俊足強肩を誇る左打ちの大型内野手で、10年目の今年4月には、ブルージェイズでメジャーデビューを果たした。入団交渉は現在の所属先を自由契約になってからになるが、障壁はなさそう。加藤は新庄監督がメッツでメジャーデビューした試合で、一塁から二塁へタッチアップしたシーンに感銘を受けたそうで、同監督は「僕の下で野球をしたいという気持ちはある、という話は聞きました」。左打者ながら左投手が得意な打撃を評価し、来年2月の春季キャンプでの1軍スタートも確約した。

「ニューヨークには行かないよ」と加藤との対面は少し先になりそうだが、大満足のドラフトが終了。新庄監督らしい連続サプライズで、運命の1日を終えた。【中島宙恵】

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