今オフに中日から戦力外通告を受けた平田良介外野手(34)が28日、自身のSNSを通じて引退を発表した。

「平田良介は引退することを決意致しました。34歳という年齢。まだできるという自負。たくさんの葛藤がありました。今後についてはまだ模索中です。来年からは社会人のルーキーとして、頑張っていきますので、引き続き応援よろしくお願いします」。この日正午に自身のインスタグラムを通じて、17年間の現役生活に終止符を打った。

同日、大阪市内の実家前で取材に応じた平田は、今後の進路は未定としながらも、プロ野球経験者が学生(高校生、大学生)を指導するために必要な学生野球資格を回復の申請を終えていることを明かした。「楽しく、厳しく、あまり型にはめない指導をしたい。プロ野球選手OBとして野球に恩返ししたい。子供たちの夢のサポートをしたい。野球に携わる仕事をしたいと思います」。少年時代にプロ野球を志したきっかけはオリックス、メジャーリーグで活躍したイチロー氏。「憧れとか好きなとか尊敬する選手は、ぜんぶイチロー選手だった」と、現役引退後に高校球児らを指導する姿の後を追うことを視野に入れる。

10月4日に中日から戦力外通告を受けた平田は、トライアウトを受けずにNPB11球団へ移籍して現役を続行しようと、道を模索。来年開幕まで他球団からのオファーを待つ方向でも検討していたが、23日に引退を決断した。「大安でもあった」と、自らこの日の公表を選択したという。

中日一筋17年。入団2年目の07年には日本シリーズで日本ハム、ダルビッシュから犠飛を決めた。11年には球団史上初の2試合連続サヨナラ本塁打を放った。18年には史上68人目のサイクル安打。球界に記憶を刻んだスラッガーがユニホームを脱いだ。【伊東大介】

◆平田良介(ひらた・りょうすけ)1988年(昭63)3月23日生まれ、大阪府出身。大阪桐蔭時代は、大阪桐蔭・辻内崇伸(元巨人)、近大付・鶴直人(元阪神)、履正社・岡田貴弘=T-岡田(オリックス)とともに「浪速の四天王」と呼ばれ、3年夏の甲子園では準々決勝の東北戦で3本塁打。甲子園通算5本塁打は歴代5位タイ。05年の高校生ドラフト1巡目で中日入り。レギュラーに定着した11年には、プロ野球最多記録タイで球団史上唯一の2試合連続サヨナラ本塁打。15年ベストナイン、18年ゴールデングラブ賞。18年8月16日DeNA戦(ナゴヤドーム)ではサイクル安打を達成した。177センチ、92キロ。右投げ右打ち。

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