今オフに中日から戦力外通告を受けた平田良介外野手(34)が28日、自身のSNSを通じて引退を発表した。

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平田が現役引退の決断を語ってくれたのは、大阪市内の実家前にある公園だった。小学1年生で野球を始めた原点の場所だった。「ここで夜、練習をしてました。おやじがコーチとかしてくれて、ネット張ってティーバッティングしたり」。野球人生をスタートさせた思い出の地で、エンディングの決断を明かした。

戦力外通告から約半月がたった10月の下旬、本音を聞いた。「本当はどこでもいいので野球はやりたい。独立リーグでもいいんです」。だが、養わなければならない家族を思うと、夢は追えなかった。潔く決断した。「だいぶん、ふくらはぎ、太ももがしぼみました。(未練は)もうないです。もう満足してやめられます」。

小中学時代は、この公園に集合して、少年野球チームの練習場所へ向かった。高校時代は、公園の横を通って、5キロ以上先の大阪桐蔭まで自転車で通った。「ここは僕のパワースポットです」。原点から人生のリスタート。すがすがしい笑顔が、冬晴れの空に映えた。【中日担当=伊東大介】