ソフトバンク今宮健太内野手(31)が11日、福岡・宮若市内で自主トレを公開し、初の打率3割&6年ぶりのゴールデングラブ賞奪取を今季の目標に掲げた。ホークスの遊撃手で右打者の3割達成は59年広瀬叔功氏が打率3割1分を記録して以来、実に64年ぶりとなる。自慢の守備でも5年連続で西武源田に奪われているゴールデングラブ賞の再奪取を誓い、「攻守」に光り輝くシーズンにする。

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気温15度を上回るポカポカ陽気の中で、フリー打撃のスイングにも力がこもった。約1時間半、今宮は汗びっしょりになりながらバットを振り込んだ。「まだ自主トレも序盤、どんどんバットを振ることを心掛けています」。昨年はキャリアハイとなる打率2割9分6厘をマーク。一流打者の証明でもある「打率3割」は、今季必ず到達しなければならない数字だ。「やっぱり3割はもう一度、挑戦したい。高い目標を持ってやっていきたい」。ホークス遊撃手では10年に川崎宗則が打率3割1分6厘を記録しているが、右打者に限っては59年広瀬叔功の打率3割1分までさかのぼらなければならない。64年ぶりとなる“快挙”へ向け、今宮は気持ちを高ぶらせた。

遊撃のレギュラーを張り続ける男にとってリーグ「NO・1守備」の名誉も両立させるつもりだ。「今年はゴールデングラブ賞も目指して、(西武の)源田に負けないようにしたい。源田から(賞を)奪うことが僕にとって価値あること」と言い切った。13年から5年連続で同賞を手にしたが、その後は昨年まで5年連続で西武源田がタイトルをさらった。同じ大分県出身で1学年後輩の源田にいつまでも甘い顔はさせられない。どちらがNO・1か、試されるシーズンでもあるわけだ。

賞取りアイテムもできあがった。メーカーが同じ源田モデルを手本に、小指と薬指をそろえて1つに入れる新グラブに変更。「(グラブは)完璧に仕上がった」と不敵に笑って、ライバルからのタイトル奪取に意欲を見せた。

もちろん、個人的な数字ばかりではない。選手会長として3年ぶりのリーグV奪回へしっかりチームをサポートする。昨オフは若手選手に「あいさつができていない」と苦言も忘れなかった。「優勝から離れているので、チームをしっかりとまとめていきたい」。グラウンド内外でしっかりチームを鼓舞するつもりだ。【佐竹英治】

○…川瀬が手応えをつかんだ打撃アピールで先発出場を勝ち取る。2年ぶりに今宮の自主トレに参加。「打撃を進化させるという目標で臨んでいます」。昨春からバットを寝かせる構えに変更。昨秋のCSでは4打席連続安打を放つなど打撃スタイルを確立。「(CSでは)1打席勝負の中でヒットを打てたし、やれるという自信になった。今年はスタメン出場を増やし打率2割9分5厘を目指したい」。年明けの3日間は大分・国東市でオリックスの育成選手である弟堅斗と練習。「お互い優勝を争うチームだし、1軍で弟との対決を想像したら楽しい」と目を輝かせていた。

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