日本ハムでスペシャルアドバイザー(SA)を務める田中賢介氏(41)は、22年4月に立ち上げた田中学園立命館慶祥小学校で挑戦心が強い子どもの育成に取り組んでいる。

14日に札幌市内でイベントに参加。22年4月の同校開校から約10カ月が経過し、「挑戦する学校をつくりたいと思って開校した。そういう文化は根付いてきたと思います」と語り、いい滑り出しを切った開校1年目を振り返った。

「ナイストライ」を合言葉に、現場の教員を通じて挑戦することの大切さを児童に教えてきた。「小さければ小さいほど成長スピードが速い。どんどん吸収してくれるので、結果も見えやすい」と話し、早くも教育の効果を実感している。11月には行事として得意なことを発表する「T-1グランプリ」を開催。児童は歌やダンス漫才など、思い思いのステージを披露。自由参加だったが8割近くの児童が参加したという。

「明らかに子どもたちは何でもやるようになった。とりあえずやるっていう精神は、この学校の文化として見えてきた」と手応えを語る。T-1グランプリは児童が挑戦することとそれを応援することの重要性を理解する機会になった。「ちゃかしたり、小ばかにしたりしない文化は大事だと思っている。応援してくれる空気があるので、やってくれているなというかんじはある」と話す。

元プロ野球選手から教育者へ。自身が理事長を務める学校の開校は田中氏にとっても挑戦だった。「もっと大変なことがあると覚悟していたんですけど、周りに支えられながら順調にいった1年だった」と振り返った。教育理念・目標は「世界に挑戦する12歳」。「想像よりもいい学校。自分で言うのもなんですけど」と笑みを見せながら語る田中氏の目は、挑戦心を持って羽ばたく子どもたちの未来を見据えている。