侍ジャパンの右砲が、連弾だ。巨人岡本和真内野手(26)が宮崎キャンプ第2クール2日目の8日、今季初の投手を相手にしたフリー打撃を行った。2年目右腕の赤星から17スイングで右翼、左翼の連続柵越えを含む安打性5本だった。3月のWBCに挑む右の長距離砲が、広角の“1発調整”に「普通だと思う」と順調そのもの。全体練習後は約1時間の居残り特打で打ち込んだ。

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岡本和は左翼に引っ張るように、右翼に運んだ。8スイング目に、ゆったりとしたフォームで外角高めの直球を捉えた打球は、逆方向に伸びていった。「それが普通。いかないのがヤバイ。今が普通だと思います」と当然のように言った。続く9スイング目も内角高めを腕をうまく縮めて左翼席に運んだ。昨季5勝の赤星とフリー打撃で相対し、17スイングで右に左に2連弾を含む安打性5本。「普通」を強調するが、広角に飛距離が出ているのは仕上がりの早さの表れだ。

明確にテーマを持って打席に入っていた。投手の生きた球を打てる場で、意識していたのは「タイミングだけ」だった。マシンや打撃投手では分からない部分の確認作業に重点を置いた。「初めてだったので、ちょっと変な感じはあったんですけど、思った以上にちゃんと振れたのではないかな」と語った。

3月には世界一に挑むWBCが待っている。17日からの代表合宿には「しっかり継続して自分のやりたいことをやっていきたい」と自信を持って合流する。三塁にはヤクルト村上がいる。巨人と違い、代表で試合に出るには、早めに調子を上げてアピールが求められる。この日のフリー打撃では「暇つぶしです。景色を変えて」と17~19年に計53試合で出場した左翼守備にも就いた。侍ではアクシデントに備え、左翼での出場も頭の片隅に置く。7日に届いた外野用グラブの感触、打球の距離感を確かめた。

「いろいろやりたいことがある。しっかりやっていきたい」と1つ1つテーマをクリアしていく。日本一も世界一もつかむ年にする。【上田悠太】

○…岡本和は中島のバットで打撃練習する場面もあった。自らのバットを1本忘れてしまい、借りた。「なかじさん(中島)の、この形は振りやすいなと思った。作ってもらおうかなと思います」と気に入った様子だった。

○…ドラフト4位門脇誠内野手(22=創価大)が、初の投手を相手にしたフリー打撃で柵越えを披露した。育成右腕・戸田の投球を思い切りよく引っ張り右翼席へ。フェンス直撃の長打を含め15スイングで計5本の安打性をマーク。「投手の球って違う。そう感じた中でしっかり自分なりの対応は出せた。球種が分からなくなった時にどう対応できるか」と手応えとともに今後の課題を挙げた。

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