“クセ球”で楽天ポイント、ザックザク? 日本ハムのドラフト1位矢沢宏太投手(22=日体大)が25日、オープン戦初打席で初安打初得点。

第3打席でも安打で出塁して生還し、この日3打数2安打2得点でサヨナラ勝ちに大貢献だ。練習試合を含め、楽天戦は9打数7安打3打点と好相性。守備側にとって厄介な変化を見せる打球を、次々飛ばす“打者矢沢”の才能に、新庄剛志監督(51)は感心しきりだった。

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新二刀流のバットが止まらない。日本ハムのルーキー“打者矢沢”が、またもや楽天戦で快打を飛ばした。この日「2番DH」で先発出場。1回1死から右越え二塁打で出塁し、4番野村の適時二塁打で先制のホームを踏むと、2-4の6回、先頭の第3打席でも右前打を放ち、続く松本剛の右前打で俊足を飛ばして一気に三塁へ。暴投で生還した。

練習試合を含めて楽天戦4試合で9打数7安打3打点と、開幕カードの相手に対してめっぽう強い頼もしさ。「友だちに『楽天ポイントたまっちゃうんじゃないの?』って言われますね」と照れ笑いだ。

かわいい冗談とは裏腹に、野球に取り組む姿勢は真面目そのもの。試合前には、楽天先発バニュエロスに合わせ、現役時代に通算2000安打を達成して名球会入りした稲葉ゼネラルマネジャーから、左腕攻略の秘訣(ひけつ)を教わった。「同じ左投げ左打ち。共通する部分が感覚としてある。少し(上体が)開き気味の方が、ボールが見やすいかもしれないという話をしてもらった」。

練習で試し、実戦で即結果を出す吸収力。さらに、矢沢のフリー打撃を見ていた新庄監督は、守備側の視点として「厄介な打球」に目を見張った。「インパクトのスピードが他の打者と違う。ゴロがドライブ回転で進んで行くんですよ。ライナーもブレて落ちる。珍しい打球を打つ」と、かつて「マシンガン打線」の中軸で98年横浜(現DeNA)の日本一に貢献したローズの打球に重ねた。

直近の目標は、もちろん新球場での開幕スタメンだ。「狙っていきたいですし、相手からしたらちょっとイヤな印象が与えられればいいのかな」と矢沢。オープン戦の白星スタートをお膳立てしたルーキーは、開幕戦でも主役の座を狙っている。【中島宙恵】

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