西武佐藤隼輔投手(23)が「3・11」に懸命に腕を振った。

9回表に登場し、打者3人無失点で切り抜けた。強打者のソフトバンク・リチャードに高め直球を3球続け、全て空振りさせる球威も。「キャンプからゾーンに入ったボールは自信になってきているので」と手ごたえを口にしつつ、精度面での課題も口にした。

宮城・仙台市出身で、小学5年の時に東日本大震災があった。母校は仙台市内でも海抜が高く、海からも遠い場所。しかし「最初はいつも通りの揺れかなくらいだったんですけど、がーっときて、めちゃくちゃ揺れて、教室で泣いてる子とかもいましたし、普通ではないなと」と、記憶は今でも鮮明に残っている。

停電や断水が続き、津波などの映像を見たのも「何日か後だったので。少年野球で行った球場とかも津波で流されて」と神妙に振り返る。「この日は特別な日というか、他の日とは違うなと思います」。ドラフト2位で入団し、プロ2年目。先発、中継ぎと両面でチャンスを狙う左腕。東北にとっての節目の1日に、しっかり自分の仕事と向き合った。【金子真仁】

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