WBCで負傷した源田壮亮内野手(30)に対し、西武が治療最優先の方針を固めたことが28日、明らかになった。

源田本人は「開幕から出たい」と口にしていたものの、渡辺久信GM(57)は「1年は長いので。彼の将来のこととかいろいろ考えて、そこまで無理する必要はないよという話はしました。しっかり治してから」と、球団側が決断したと明かした。

同GMは「そこまで遅くはならない。4月いっぱいくらいかな、みたいな感じだとは思います」と実戦復帰へのメドを口にした。これによって、3月31日のペナント開幕から1カ月程度は、不動の遊撃手である源田のいない戦いになる。

松井稼頭央監督(47)は「シーズンに入っての緊張感も含めて、全てが彼らにとっては経験だと思うので。素晴らしい成長にもつながると思うし、必死こいてやってくれたらなと思います」と奮起に期待し、若手たちを試す構えだ。

プロ3年目の山村崇嘉内野手(20)が開幕スタメンに座る可能性が高まってきた。28日の練習では唯一、遊撃のポジションに入って投内連係を行った。

東海大相模(神奈川)出身で今季でプロ3年目。右投げ左打ちで、打撃センスの非凡さが評価される。プロ入り当時の松井監督と同じ背番号32を付け、松井監督には2軍監督時代から指導を受けている。

山村はこの日の練習後、報道陣に「もちろん緊張すると思いますけど。しっかり準備はできてます。もしスタメンだったら一生懸命やります」と意気込みを口にした。

ドラフト6位の児玉亮涼内野手(24=大阪ガス)にもスタメンのチャンスが訪れそうだ。右打ちなどの小技もそつなくこなし、フットワークも機敏。源田が「ザ・社会人(出身)」と褒めるほど、プレーに落ち着きと堅実さがあるのは心強い。

昨年の源田不在時には、身長164センチの滝沢夏央内野手(19)が脚光を浴びた。今季は打席数を優先し、2軍で経験を積ませる方針とみられていた。児玉同様、フットワークの軽やかさには定評がある。

松井監督と同じ両打ちのの川野涼多内野手(21)は、持ち前のアグレッシブさでオープン戦半ばまでアピールを続けた。積極性ゆえのミスが目立ち、安定感向上へと練習を重ねている。遊撃経験が豊富な平沼翔太内野手(25)はイースタン・リーグ開幕後、二塁や三塁の起用が多い。

一方、春季キャンプから外野練習を多くこなしていた長谷川信哉内野手(20)が、イースタン・リーグ開幕後に遊撃を守ることが多く、2試合連続で初回先頭打者アーチを放つなど好調。本人は「たまたまです」と謙遜するものの、身体能力が高い右打者として期待の存在だ。【金子真仁】

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