高卒10年目の楽天松井裕樹投手(27)が、史上最年少で同9人目となる通算200セーブを達成した。1点リードの9回に4番手として登板。1死二、三塁のピンチを招いたが踏ん張り、無失点で切り抜けた。通算445試合出場での到達も、歴代4位のスピード記録。快挙も、喜びに浸らず、周囲を気遣った。

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まだまだこれから。松井裕の偉業達成を、恩師の桐光学園・野呂雅之監督(61)は、冷静に見守る。「彼の未知なる力の1つの通過点。言葉は悪いですけど、200セーブだからなんなのという感じなんですよ」と優しげに笑う。史上9人目ではあるが、松井裕はまだプロ10年目。27歳と選手生活はまだまだ続いていく。「かける言葉も(ない)。お互い通過点だと思っているので、素通りが一番なんじゃないかな」と教え子を思った。

高校2年で迎えた、12年夏の甲子園1回戦、今治西(愛媛)戦で大会新記録の22奪三振を記録。その後もおごることなく、謙虚にひたむきに練習に打ち込み続けた。だからこそ、球界屈指のストッパーになっても「彼も黙々と『次』という感じでしょう」と目尻を下げる。こんなもんじゃない。期待する姿はもっと大きい。「どういう風に成長していくか。楽しみが増えたなというのが正直な感想です」。高みへ上っていく姿を、ささやかに応援し続けていく。

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