中日小笠原慎之介投手(25)の力投が、チームの連敗を止めた。

初回に先制を許したが、毎回の9奪三振で7回5安打1失点。2勝目を手にした。

カーブ、チェンジアップなど、変化球を要所で決めた。阪神佐藤輝からは、すべてカーブで3打席連続奪三振。初回以外は、試合を自在に操った。「今日は冷静でスイッチのオン、オフができた」。マウンドでは自身を鼓舞する言葉を発し続けた。3回には2試合連続適時打も披露。バットでも自身を援護した。

開幕戦を含め3試合、20回2/3を投げ、2勝、防御率2・61と安定した成績を維持する。21年の自主トレから弟子入りしている大野雄が左肘のクリーニング手術を受け戦列を離脱。ここまで1試合平均7イニング弱をこなす左腕は「(8回に投げる)達也(清水)を休ませたい。もう1イニング何とかいけるようにレベルアップしたい。大野さんが抜けて、僕はプレーで引っ張っていきたい」。イニングイーターのエースが抜けた穴を、埋めることを誓った。

小笠原の好投もあって、打線もつながり阪神に快勝。最下位も脱出した。立浪監督は「(小笠原は)最低7回は計算したい。あとはそのままライデル(マルティネス)につなげられるところ(8回)まで投げられるように成長して、中心になって頑張って欲しい」と、ハードルを上げながらも笑顔をこぼした。竜の孝行息子が、反攻をけん引する。【伊東大介】