未来への期待を込めて、侍ジャパン栗山英樹監督(62)が代表のユニホームを脱いだ。2日、都内で退任会見に臨み、21年11月の就任から3月の3大会ぶりWBC優勝までを振り返った。もっとも力を込めて答えたのは「侍ジャパンの未来はどうなって欲しいか」という質問だった。
「今回、全ての選手がいろんな事情がありながら、個人的な理由は差し置いて、日本野球のために集結するんだという姿を見せてくれた。全ての野球人が自分の都合を忘れ、日本の野球のために力を尽くす形になったと信じている」
ダルビッシュは実戦登板が制限されるのを承知で、2月の宮崎強化合宿から参加した。吉田はメジャー移籍1年目にもかかわらず、代表入りを選んだ。2人だけではない。誰もが「世界一」という絶対目標のために尽くしてくれた。そんな選手たちが誇らしかった。
先人たちへの感謝も忘れない。「歴史の積み重ねなので」。師と仰ぐ三原脩氏が残したノートをかたわらに置き、支えとした。そうやって勝ち進んだ米国との決勝は、互いに2本塁打の末に勝利。「ホームランも含めて普通にぶつかりあえた」。きめ細かい日本野球を受け継ぎ、発展させ、パワーでも負けなかった。次の世代で、さらなる進化を願う。
代表監督としての重責を果たしたが、次なる目標は既にあるという。「恥ずかしくて言えないです」と笑ったが、はっきりと思い描く未来がある。「10年後ぐらいですかね。侍ジャパンのユニホームを着ている選手たちが、ほぼほぼ今回のWBCから刺激を受けたと話してくれることを信じてます」と目を細めた。大役を終えても、日本野球に抱く熱量は変わらない。【古川真弥】



