オリックス頓宮裕真捕手(26)が、父の日に「ありがとう」のアーチをかけた。「小さい時からずっと野球を教えてもらっていたので。いい日に打てたかなと思います」。0-0の7回、ヤクルト星の直球を迷わずフルスイングした。「ストレートが強い投手だと思っていたので。初球からいけてよかったです」。2戦連発の7号ソロで打線を活気づけ、今季初の同一カード3連勝へ導いた。

フルスイングの土台は父と作り上げたもの。社会人軟式チームで投手だった父哲也さんが、駐車場に大きなネットを張ったお手製の打撃練習場。長い時は約1時間、二人三脚で打ちこんだ。時折けんかしながらもずっと付き合って、今も毎試合見てくれる父に、感謝の気持ちは尽きない。

今では自身も父になった。2歳の娘は最愛の存在だ。「もうだいぶ、しゃべります」。家に帰れば「パパ」と呼んでくれる。最近は野球も見るようになった。「まだ何がいいとかは分かってないですけど。良かったです」。プロ野球選手とはまだ認識できていないが、かっこよく活躍した姿を喜んでいるはずだ。

リーグ唯一の3割となる、打率3割4分4厘で首位打者に君臨。さらに6月に入って6本塁打と長打力も増し、7日以来のリーグ首位返り咲きに大きく貢献した。見守ってくれる家族のためにも、まだまだここから打ちまくる。【磯綾乃】

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