広島九里亜蓮投手(31)が5日、出場選手登録が9年に達して海外フリーエージェント(FA)権の資格条件を満たし、将来的な米大リーグ挑戦に意欲を示した。

「取得した実感はあまりありません」としながらも「向こうの野球には興味があります。そこまでのレベルに達したら」と言い、米大リーグへの思いを否定しなかった。

米国にいる父の存在も大きい。米国で過ごした幼少期は野球のコーチで、今年1月の米国自主トレでもサポートしてくれた。

「投げている姿を映像越しではなく、生で見てほしいという思いはあります」

九里は13年ドラフト2位で広島に入団。先発中継ぎにフル回転する無尽蔵のスタミナで3連覇に貢献した。20年には先発に定着し、21年には初の個人タイトルとなる最多勝を受賞。同年オフ、取得した国内FA権を行使せずに広島残留し、球団と3年契約を結んだ。

契約2年目の今季はここまで6勝3敗、防御率1・76と好投を続け、上位争いするチームをけん引する。

この日は監督選抜による10年目で初の球宴出場も決まった。30歳を超えて進化を続ける先に、米国挑戦がある。

◆九里亜蓮(くり・あれん)1991年(平3)9月1日、米フロリダ州生まれ。父マーク・アントニオ・シェックさんはブレーブス傘下3Aでも遊撃手として活躍。投手としても最速153キロを出した。岡山理大付を経て、亜大4年秋の明治神宮大会はエースで優勝。13年ドラフト2位で広島入り。21年には13勝で最多勝を獲得した。187センチ、97キロ。右投げ右打ち。

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