日本ハム江越大賀外野手(30)が約1カ月ぶりのアーチを放った。

2点を追う7回にソフトバンク大津から左翼スタンドへ5号ソロを運んだ。観戦に訪れていた両親の前で、1軍では初めて本塁打を披露した長崎出身の未完の大砲。チームは連敗で2カード連続負け越しとなったが、故障者が続々と復帰しており、激しさを増す外野レギュラー争いの中で大きなアピール弾となった。

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魅力いっぱいの放物線を描いた。江越は「感触は良かったです」と普通な感じで振り返ったが、左翼のソフトバンク近藤は全く足を動かさなかった。あふれんばかりの勢いで打球はペイペイドームの左翼席へ着弾。6月9日阪神戦以来となるアーチは推定飛距離124メートル。新庄監督も「どうした、どうした(笑い)。レフト1歩も動かず…ハハハハ。びっくりしたね」と驚くほど飛んだが、江越は「そうですね」と、ひと言。ただ、どうしても打ちたい理由が2つあった。

江越 最近スタメンで出られなくて(浅間)大基が結果を残していたので、何とか結果を残したかった。両親も来ていたので、何とか結果を残したかった。

6月28日西武戦以来のスタメン出場だった。その間に外野レギュラーを争うライバルたちが戦列に戻ってきた。故障離脱していた浅間、五十幡が相次いで1軍復帰。今川も2軍で実戦復帰し、この日は2軍戦で故障明け初のフル出場で2安打2打点。江越も負けていられなかった。そして、長崎出身の九州男児は両親にも活躍を見せたかった。ホームランを打つ姿を見せるのは「1軍では初めて」と親孝行ぶりも発揮した。

ただ、反省点もあった。3回に二塁からタッチアップも右翼の柳田からの好送球で走塁死。「僕が外野手だったら『なめるなよ』となる。僕の中ではミスです」。9回は1発が出れば逆転という場面でオスナの前に3球三振。「もうちょっと対応の仕方が…あれだけ速い真っすぐを投げる投手なので」と反省した。

そんなミスも次に生かしてチームを勝利に導けるのがレギュラー。本格覚醒への糧にする。【木下大輔】

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