悔しさを連発に込めた。ともに打った瞬間の確信弾にも、ヤクルト村上宗隆内野手に笑顔はない。両リーグ最速で100三振を喫し、本来の姿を取り戻せない昨季の3冠王は、2打席連発にも「いろいろ思うこともある。まだまだこれからだぞ」と浮かれることはなかった。

1点を追う6回2死一、三塁。中日祖父江の149キロ直球を右翼席中段にたたき込み、決勝の逆転13号3ラン。2発目は8回2死。岡野の131キロスライダーを右翼席へ14号ソロ。5月13日中日戦(神宮)以来となる今季2度目の1試合2発で、連敗を2で止めた。

前夜は2点差まで迫った6回1死一、二塁で併殺打に倒れ、この日も3打席目まで無安打2三振。犠飛以外の打点も6試合ぶりで「毎日考えながらやってきたが、いいことばかりではない。結果が出ず、悔しい思いをしてきたが今日はうまくいった」。4番のプライドを取り戻したかった。

6月25日中日戦以来、11試合ぶりの1発。神宮のアーチは5月25日阪神戦以来。実に約1カ月半、燕党が待ちわびた主砲の背中だった。