116球の熱投も勝利にはつながらなかった。チームトップタイ6勝目を狙った日本ハム伊藤大海投手(25)は、今季最長の7回1/3を投げたが、8安打4失点で5敗目を喫した。今季最多の10奪三振も、同点に追い付いてもらった直後の8回1死二塁で、楽天浅村に決勝2ランを浴びた。チームは今季初の6連敗。借金は同最多の11となった。

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痛恨の1発となった。2-2に追いついた直後の8回1死二塁。カウント2-2から伊藤が投じた145キロカットボールは、わずかに上ずった。浅村に捉えられた打球は、高く舞い上がり、右中間スタンドへ吸い込まれた。「高さのミス。低めに行ってたら…」と悔しがった。

内容は悪くなかった。6回まで毎回の10奪三振。6回2死二塁では辰己に4球ファウルで粘られたが、最後はスプリットを2球続け空振り三振に斬った。1年目の21年4月21日ロッテ戦以来の2ケタ奪三振。それでも勝利には届かず「スプリットは良かった。でも調子がいいがゆえの選択ミスも多かった。そういうところでの集中力が、足りなかった」と課題を挙げた。

前半戦はこれが最後の登板。自身4連勝をかけての登板だったが、白星で中締めすることはできなかった。三振は奪えたが1試合2被弾は今季初。本塁打リーグトップの浅村への被弾を振り返り「簡単にいってはいけないバッターがいる。2ストライク目をゾーンで取るのではなくボール球を振らせるとか、1球みせる余裕なく、いってしまった」と反省した。

志願して8回もマウンドに上がり、116球。効率良くアウトを重ね、状態も確実に上向いている。建山投手コーチは「彼にとって8回は大きな課題。成長するにはあそこを乗り越えないと」。敗戦から学んだ糧を、後半戦に生かす。【永野高輔】

 

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