花火よりもイーグルス! 楽天小郷裕哉外野手(27)が、夏のレジャーに野球を選んでくれたファンへ勝利を届けた。

逆転を許し、1点を追う8回、小深田の中前適時打で追いついた直後の2死一塁で、第5打席が回ってきた。「『自分が決める』まではいかないですけど、なんとかつなぐ気持ちはすごく強かった」。1ストライクからペルドモの低め147キロ直球を捉えた。鋭いライナーが左中間へ。形勢が7度変わったシーソーゲームに、適時二塁打で終止符を打ち、両手を天へ突き上げた。

6日から3日間、仙台七夕まつりが開催される。この日は仙台七夕花火祭が行われた。地元では年に1度の一大イベント。それでも1万6501人の観客が、楽天モバイルパークに足を運んでくれた。「花火大会よりも面白い試合だったと思う。本当に来てくれた方に感謝してます」とファンを思った。

“前夜祭”を執念の逆転劇で彩ったが、小郷は表情を引き締めたまま。「もう今は勝ちしか必要ない。どんどん勢いづいていけたらなと思います」。チーム浮上へ向けて-。星に願いをかけながら、自らの手で手繰り寄せていく。【湯本勝大】

▽楽天石井監督(接戦を制し)「野手がしっかり踏ん張って、同点から逆転というところまで持って行ってくれた。ファンの方に、いい試合と言ってくれるか分からないけど、お見せできて良かったです」

▼楽天-ロッテ戦は初回に楽天が先制し、その後は逆転6度のシーソーゲーム。1試合での逆転は6度が最多で、今回のような形勢7転試合は98年8月14日近鉄-ロッテ戦、99年4月29日日本ハム-ダイエー戦、04年9月23日横浜-巨人戦に次いでプロ野球4度目。

 

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