阪神近本が、新人から5年目までの通算安打を745本とし、同744本のヤクルト青木を抜いてNPB歴代単独3位に浮上した。

1点リードの7回1死二塁。左腕田中健の6球目スライダーを右翼に運ぶ適時二塁打で貴重な追加点を入れ、青木超えを飾った。「どんな形でもランナーをかえしたいという気持ちでした」。初回は石田の145キロ直球が右脇腹付近に直撃する死球。24試合連続出塁としたが、7月2日巨人戦で高梨から死球を受け、右肋骨(ろっこつ)骨折につながった悪夢がよぎった。それでも問題なくプレーを続行。6回には四球出塁し、逆転劇にも一役買った。

■2戦連続スタメン

2試合連続でスタメン起用された阪神小幡が、3月31日の開幕戦以来となる猛打賞で期待に応えた。8番遊撃で出場し、5、7、8回に単打をマーク。7回は近本の中押し適時打につなげ、8回にはセンターへの適時打で3点差に広げた。「結果的に3本打てたので、すごいよかったかなと思います。常に結果がほしいので、もっともっと結果を出して(スタメンに)定着できるように」。遊撃レギュラーの木浪に負けず、存在感を発揮した。

■ガッツ適時打

阪神坂本がバットでDeNAに傾き掛けた流れを断ち切った。1点差に詰め寄られた直後の8回1死一、二塁。フルカウントから伊勢のフォークに食らいついて左前にタイムリーを放ち、一塁上でガッツポーズを決めた。再び2点差に広げたタイムリーは自身5試合ぶり。エンドランで決めたことに指揮官は「普通に打たせたらゲッツーになる可能性の方が高かったからな」と振り返った。

■プロ初犠打

プロ3年目の阪神栄枝が、今季初出場でプロ初犠打を決めた。1点リードの7回無死一塁で代打で登場。2球目を捕手前に転がすバントを決めると、近本の適時打で中押し点につなげた。「最高っす。ワンチャン(出番が)あると思っていた。近本さんに感謝です」。代打バントの采配に岡田監督は「まあ普通やろ。この球場やったら1点よりも2点、2点よりも3点の方がそれはおまえ、そういう球場やからな」と説明。「3番手捕手」として待機する男が仕事を果たした。