夏男だ。広島堂林翔太内野手(32)が、8号2ラン&9号ソロの2打席連続本塁打で離脱者相次ぐチームをけん引した。

2点を先制した1回。なお2死一塁からDeNA今永の外角真っすぐを捉えて2戦連発とまる2ランを右翼席最前列へ。4回は立ち直りかけた左腕から今度は内角直球に反応し、左翼席に放り込んだ。「中途半端に行かないようにしていました。特に1本目はいい方向に打てたかなと思います」。14年9月13日阪神戦以来9年ぶりの2打席連続弾で流れを完全に引き寄せた。

チームは主力野手を加え、抑え矢崎が19日、セットアッパーのターリーが21日に出場選手登録を抹消された。チームの危機的状況となった8月、堂林が奮い立ち、打率3割5分7厘、5本塁打、12打点。夏男と化し、打線の起爆剤となっている。

23日、決勝を迎える夏の甲子園。中京大中京で頂点に立ってから14年がたつ。「思い出すことはありますけど、思い出したくもない部分もあります…」。日本文理に追い上げられた記憶に、思わず苦笑い。だが、そんな経験が今につながっている。決勝戦を戦う両校に伝えたい思いも「試合は最後まで分からない。ということですかね、一番、説得力あると思います」と笑った。

試合前、新井監督はナインに「30勝2敗でいくぞ」とげきを飛ばした。選手に重圧をかけず、盛り上げながら士気を上げる、新井流。堂林も「勝つしかないので。あとはもう、泥くさく食らいついていけたら」。セ・リーグペナントレースも、最後まであきらめない。【前原淳】

▽広島西川(1回1死二、三塁から先制2点打)「立ち上がりに攻められたのは良かった。本調子になったら、ヒット1本を打つのも難しい投手ですから」

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