ソフトバンクは嶺井博希捕手(32)に移籍後初の決勝アーチが飛び出し、3カード連続の勝ち越しを決めた。同点の4回1死走者なしで、ロッテ・メルセデスのチェンジアップを左中間スタンドに運んだ。今季2号ソロで、沖縄尚学-亜大でバッテリーを組んだ先輩の東浜に約3カ月ぶりの6勝目をプレゼント。貯金を「2」に増やし、2位ロッテと2ゲーム差に迫った。

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ジャストミートした。手応え抜群だった。嶺井は思わず「あんなことやってたらダメです」と話していた華麗なバット投げを披露した。打球は左中間スタンドに着弾。「バット投げにふさわしいバッティングをこれからもできたら」。快音と歓声に酔いしれていた。

3-3の4回、メルセデスのチェンジアップを仕留めた。「たまたま振ったら当たりました。事故です…」。初回に3点先攻されたが、同点に追いついて嶺井が勝ち越しの決勝ソロ。DeNA時代の昨季、巨人にいたメルセデスには10打数3安打で1本塁打だった。相性の良さを買われ、7月2日の西武戦以来、約2カ月ぶりのスタメン起用に応えた。試合開始の約6時間前から行う単独アーリーワークの成果を出した。

1学年上の先発東浜とは沖縄尚学で08年にセンバツ優勝し、亜大でもバッテリーを組んだ。“黄金バッテリー”の再結成で、東浜に約3カ月ぶりの6勝目をプレゼント。「巨さんに何とか勝ちをつけたいなとずっと思っていました」。2回には中犠飛を放って今季2度目のマルチ打点。移籍後初のV弾と合わせ、チームを3カード連続の勝ち越しに導いた。

嶺井を抜てきした藤本博史監督(59)は「今日のピッチャーからは去年も打ってるのでね。1週間に1回は(正捕手の甲斐に代わって)嶺井か谷川原を出していこうと言っている。それがハマりました」とニヤり。嶺井も「打席は少ないけどやることは変わらない。明日からもしっかり準備します」と引き締めた。

2位ロッテとの3連戦は2勝1敗と勝ち越し、2ゲーム差に迫った。8日からは2・5差で追われる4位楽天を本拠地に迎える。指揮官は「前回は向こう(仙台)でやられている。やり返さないといけない」と言った。8月下旬に同一カード3連敗を食らったリベンジを果たす。【只松憲】

 

▽ソフトバンク今宮(3回2死一、三塁で同点タイムリー)「このチャンスで何とか1本と集中しました。まず振り出しに戻すことができた」

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