オリも来た~! オリックスがラオウ杉本裕太郎外野手(32)の決勝打でシーソーゲームを制した。同点の8回に決勝の三塁打で試合を決めた。夏場は不調で2軍降格も経験した男の一打で、3年連続のCS進出が確定。ロッテも敗れてマジックは5と減らし、最短Vは20日の京セラドーム大阪でのロッテ戦。27年ぶりの本拠地胴上げへカウントダウンに入った。

   ◇   ◇   ◇

遊撃手の右を抜けた打球が左中間を破ると、スピードを緩めることなく一気に三塁まで進んだ。大歓声を浴びながら両手の人さし指を突き上げた。

「京セラで久しぶりに打てたのでうれしい。最近打ててなかったですけど、それでも大きな声援送ってくださってるので、僕も諦めずに頑張れてます」

同点に追いつかれた直後の8回1死二塁から勝ち越し打。6回の勝ち越し犠飛に続く、2打席連続の一打は決勝打となり、喜びを190センチ、104キロの体で表現した。

苦悩の夏を過ごした。打撃不調で2度の2軍降格を経験した。最初の降格時には「ミニキャンプ」を実施。外野ノックでは30分以上も1人で振られながら大粒の汗を流して体のキレを取り戻した。9月5日に1軍再昇格を果たすと、9日には決勝3ラン。最終盤に勝負強い打棒を戻してきた。

親友のタカシマくんの前でも活躍する姿を見せた。小学校から高校までのチームメートで、結婚式のスピーチを頼まれるほどの大親友。過去に球場に招待したときは2軍降格と重なり、目の前で打つ姿を見せるのはこの日が初めて。昨年末に帰省して会ったときには「お前、まだ野球しよったん?」と聞かれていたことを明かし、「まだ野球していることを証明できて良かった」と笑った。

連敗阻止で3年連続CS進出が決定。2位ロッテも敗れたためマジックは5とした。最短20日のVなら、京セラドーム大阪での胴上げだ。「最近オリックスファンが増えてきたと思うので、オリックスファンのみなさんの前で一緒に喜びたい」。球団ではイチローがサヨナラ打で優勝を決めた96年以来27年ぶりの本拠地Vへ、カウントダウンが始まった。【林亮佑】