巨人丸佳浩外野手(34)が見極めた。1点を追う4回2死一塁、DeNA大貫の高めに浮いた4球を見極めた。ストレートの四球で史上18人目の通算1000四球を達成。2死一、二塁から秋広が投直に倒れて得点には結び付かなかったが、シーズン最終盤での3位DeNAとの直接対決で負けられない一戦で“メモリアル四球”を選んだ。

55人が達成している2000本安打より少ない18人目の1000四球に「元々打つだけじゃなくて、フォアボールもしっかりとって塁に出るっていうのが持ち味だと思って、若い時からやってきた。今まで節目節目とかありましたけど自分の中では、一番誇れるものなんじゃないかなと思います」と胸を張った。

選球眼の良さが自身のバロメーターになる。打率3割6厘、39本塁打、97打点でMVPを獲得した広島時代の18年には、王貞治に次いで史上2人目、歴代4位タイとなるシーズン130四球を選んだ。「いい時は四球が増えてくる。なんでもかんでも打ちに行くのではなく、しっかり割り切りながらやれている」と常にやるべきことに集中する。

今季はこれで40四球目と全盛期からはほど遠い。プロ16年目。見える景色も変わってきた。「ベテランと若手でチームが1つの方向を向いて相手と勝負するのは、シーズンの中で一番大事なことだと僕は思う」と自らの役割を認識する。

7月には打撃不振で2軍再調整期間を過ごした。復帰後2戦目の同29日中日戦では2安打2打点で2連勝に貢献。「プロである以上、勝たなきゃいけない。特に僕とか、チームでも年齢が上の方なので、しっかりやらなきゃいけないなとは思ってますけど、なかなかうまくいかないことが多い。そこは日々反省しながらですけど、今日は良かったかな」と安堵(あんど)の表情を浮かべていた。

今季から右翼にコンバートされたが、状況に応じて中堅も務める。この日も「6番中堅」で先発。若手や外国人選手が多い外野陣の主軸を張る。ロッカールームでは「将棋組」の中心として坂本、北村拓、中山らと対局して明るい雰囲気作りに一役買う。34歳がもがきながら、自らの役割を見極めていく。【小早川宗一郎】

▼通算1000四球=丸(巨人) 25日のDeNA23回戦(横浜)の4回、大貫から今季40個目の四球を選んで達成。プロ野球18人目。初四球は広島時代の10年9月22日のヤクルト8回戦(マツダスタジアム)で松岡から。

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