今季限りで現役引退するDeNA藤田一也内野手(41)の引退セレモニーが、試合後に行われた。

試合には3-10と大量ビハインドの9回1死一、三塁の遊撃守備から途中出場。その裏1死一塁の打席では、ヤクルト高梨に対し右飛に倒れたが、試合後は主役となった。

スタジアムにブルーのペンライトがともる中、自身の野球人生を振りかえるVTRが大型ビジョンに流れた後、手紙をゆっくりと丁寧に読み上げた。

10年ぶりに復帰した古巣DeNAの仲間たちへ、「選手のみなさん、最年長でベイスターズに戻ってくることになり、チームになじめるか心配で不安でした。後輩たちが、先輩後輩ではなく、ともに戦う仲間として接してくれて、一緒に喜んで、一緒に悔しんで、一緒に泣いて、一緒に笑って、時にはみんなでバカをして。こんな最高のメンバーと一緒に野球ができて、本当に幸せでした。みんなありがとう」と感謝。

一番身近で支えてくれた家族には、「子どもたち。いつも『パパ頑張ってね、ファイト!』と言って送り出してくれて、応援してくれてありがとう。格好いいパパはなかなか見せられなかったけど、その言葉でパパは今日まで頑張れたよ。これからは少し時間が出来るから、いろいろなところに遊びに行こうね」と優しく語りかけた。

その後は同僚の宮崎、楽天時代にともにプレーしたヤクルト嶋コーチ、同期入団の石川雄洋氏、家族らから花束を受け取り、笑顔で場内を1周し、ファンの大声援に応えた。

徳島出身の藤田は近大から04年ドラフト4巡目で横浜(現DeNA)入団。12年途中に楽天にトレード移籍し、13年に正二塁手として、球団初のリーグ優勝、日本一に大きく貢献した。

22年にDeNA復帰。今季は開幕2軍スタートも7月11日に1軍初昇格。同28日に登録抹消されたが、8月22日に再登録され「代打の切り札」として存在感を示す。また横浜時代は「ハマの牛若丸」と呼ばれ、球界屈指の名手として、好守でチームに貢献。ベストナイン2度、ゴールデングラブ賞を3度受賞した。

【関連記事】DeNAニュース一覧