ロッテ「9番中堅」和田康士朗外野手(24)の全4得点に絡む活躍で、チームの連敗を7で止めた。

0-1で迎えた3回、1死走者なしで、和田は一塁線を破る三塁打を放った。初球の直球を振り抜いた打球の行方に「ちらっと見た時にボールを捕っていなかったので行きました」。右翼は強肩の日本ハム万波だったが、「球場の形状も複雑なので少し焦るかなと思って」と快足を飛ばした。続いて初の「1番三塁」で先発したマイク・ブロッソー内野手(29)の浅い左飛にもかかわらず、ヘッドスライディングで生還した。

5回にも1死二、三塁で右前勝ち越し2点適時打だ。「追い込まれる前になんとか決着をつけようと思った」と3-1から内角直球を捉えた。「大事な時期ですけれど、あまり背負い過ぎず、自分の中では『打てなくて当たり前』という気持ちで打席に立っている。ずっと悪い流れが続いていたので、なんとか断ち切れてうれしいです」。右前打後の相手悪送球で二塁に進むと、石川慎吾内野手(30)の中前適時打で再びホームを踏んだ。

吉井理人監督(58)は「正直言うと、レフト石川、ライト角中だったので、センターで両翼カバーという意味で和田だったんですけれど…」と苦笑い。守備重視での起用の中での殊勲打連発に、「(5回は前打者の)田村のところでスクイズで1点取りたかったんですけれど、とれなくてヤバイなと思ったところでヒットを打ってくれて、チームを助けてくれた」と賛辞を送った。

連敗の雰囲気を変えるため、スタッフが4チーム対抗の競争形式トレーニングを考案し、試合前練習を開始した。和田は「トレーニングコーチもいろいろ考えてくれた。あれで西野さんが声出しに。なかなかピッチャーがすることはないんですけれど、それで一気に雰囲気が良くなったと思います」と感謝。最下位チームのアンカーだった西野勇士投手(32)が試合前の円陣で声出し担当に決定した。「『とにかく楽しくやってほしい』と言っていただいたので、楽しく試合が出来ました」と和田は西野にも感謝した。

敗れた楽天を抜き3位に浮上し、2位ソフトバンクにも0・5ゲーム差に迫った。クライマックスシリーズ出場権争いは激しさを増す。【鎌田直秀】

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