日本ハムはサヨナラ負けでリーグワーストの80敗目。今季31度目の1点差負けを喫した。2-1の9回に、昨オフ、ソフトバンクからFAの人的補償で獲得した守護神・田中正義投手(29)が、まさかの2被弾とつかまった。それでも、試合前に新庄剛志監督(51)から直接指導を受けた田宮裕涼捕手(23)と細川凌平内野手(21)が、打撃でアピール。来季へ向けた競争は、既に始まっている。

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カッと両目を見開いて、ぼうぜんと打球を見送った。

1点リードで9回を迎えたはずが、昨季まで同僚だったソフトバンク柳田と中村晃に、2本のアーチを許してサヨナラ負け。3敗目を喫した日本ハムの守護神、田中正義は「(先発した田中)瑛斗に申し訳ないですね。球種が張られている中で、僕の足りない部分を、すごく痛感する投球になってしまった」と自分を責めた。

既に2季連続の最下位は確定しており、来季へ向け課題の整理やアピール合戦は始まっている。新庄監督は、田中正について「いい感じでシーズンを終えるより、こういう経験をして、さらにレベルアップをしないと。いい体験をさせてもらった」と前向きに捉えた上で、来季の守護神は「分からない。競争させながら」と、闘争心をあおった。

打線では、試合前練習で直接指導した高卒5年目の田宮と同3年目の細川がマルチ安打で目を引いた。打つポイントを前にするよう助言した新庄監督は「早速、結果を出してくれた」と、2人が打つたびにベンチで大喜びだ。特に4打数2安打2打点の田宮は、2試合連続打点&マルチ安打。本職は強肩捕手も、この日は、プロ初の外野手で先発出場した。「守って打って走って、全部アピールしていきたい」と田宮。チームでも指折りの俊足で、左翼守備も慣れたものだ。

最下位確定で他の5球団より、少し早く始まった来季への準備期間。新庄監督は「今年、固定したメンバープラス、若い子たちが顔を出してくれているから、層は厚くなってますよね」と、勝負の3年目を楽しみにしている。【中島宙恵】

▼日本ハムが今季12度目のサヨナラ負け。サヨナラ負けのシーズン記録には88年広島、93年中日、09年西武の各14度があるが、日本ハムでは47年と59年に記録した11度を上回る球団ワースト。

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