広島の西川龍馬外野手(28)が昨季取得したFA権を行使する意向を球団に伝えたことが13日、分かった。14日締め切りのFA申請期限を最大限に使って悩み抜いて決断。14日に発表される。広島との2日の残留交渉では、複数年契約などの条件が提示された。入団時から愛着がある球団からの好条件に、誠意を感じた。悩みはより深まったが、異なるリーグへの挑戦心が権利行使へと傾かせた。

「パ・リーグでやってみたい。野球人として幅を広げたい。もっと良くなるかもしれないし、悪くなっても、自分の実力不足。やらない後悔よりも、やってから後悔した方がいい」

社会人の王子から15年ドラフト5位でプロの道に導いてくれた広島には感謝の思いが強い。3連覇を味わい、苦しいシーズンも過ごしたチームメートの絆も深い。だからこそ、相談すると心が揺れるため、チームメートには相談しなかった。交渉相手の鈴木球団本部長、現役時代もともにプレーした新井監督にのみ相談した。下した決断は、宮崎・日南でキャンプを行う新井監督のもとに極秘で会いに行き、直接伝えた。

今季は広島で4番も務め、1カ月以上の離脱がありながらもリーグ2位の打率3割5厘、9本塁打、56打点をマークした。通算2970打席で通算打率2割9分9厘と、打撃技術が高く、卓越したバットコントロールは“天才”と称される。リーグを代表する好打者には、ソフトバンクやオリックスが獲得に興味を示しており、争奪戦に発展する可能性もある。