絶対的な守護神に挑戦状だ! ソフトバンク甲斐野央投手(27)が11日、ペイペイドーム内の球団事務所で契約交渉に臨み、400万円増の年俸4000万円で更改した。最速160キロ超の快速右腕は、6年目となる来季の目標に「オスナから9回を奪えたらむちゃくちゃかっこいい」と守護神奪取を視野に入れた。(金額は推定)

    ◇    ◇    ◇

笑いを取っているように見えて、真剣だった。契約交渉後の会見。報道陣を前に甲斐野は言った。

「オスナってすごいお金をもらっている。そんなオスナから9回を奪えたらむちゃくちゃかっこよくないですか。(来年は)オスナを脅かすように頑張りたい」。4年総額40億円のビッグ契約でチーム残留を決めた助っ人クローザーにライバル心をむき出しにした。

プロ5年目の今季は目標とした開幕メンバーから外れた。それでも5月に1軍マウンドに呼ばれるとシーズン最後までブルペンを支えた。46試合に登板して3勝1敗、2セーブ8ホールドを挙げ、防御率2・53。「46試合で50試合まであと4試合。自分の信頼のなさというか、能力の評価だったのかなと思う。もっと信頼を得ないといけないと思う」。1年目の19年の65試合登板が最多。ここ3年は右肘の故障などもあって試行錯誤を繰り返した。「去年、一昨年は肘も怖く投げていたが、今年は不安なく投げられた。開幕1軍の目標はかなわなかったが、(昇格後は)最後まで1軍に居続けられた。自分にとっていい経験だった」。昨年6月17日の楽天戦で自己最速の160キロをマーク。課題とする制球力アップとともに右肘の不安解消で、剛球に磨きをかけるつもりだ。

2年ぶりに手にしたセーブは快感だった。「2セーブだけでしたが、オスナがいる中でセーブを挙げられたのは良かったのかなと思うし、もっと勝ちパターンで役物(セーブ)をつけられたら」。甲斐野にとっては1年目オフ以来のアップ契約。会見後の写真撮影では来季の目標として色紙に大きく「笑」とペンを走らせた。「笑って優勝したいから。50試合以上に登板して、いっぱい役物(セーブ)をつけていきたい」。甲斐野はあくまで真剣だ。ビッグマウスと笑われるつもりはない。【佐竹英治】

【関連記事】ソフトバンクホークスニュース一覧

 

○…甲斐野は年明けの自主トレを母校・東洋大の同期であるDeNA上茶谷、中日梅津と静岡で行う予定だ。18年ドラフトではオリックス中川圭を含め大学同期の4人がプロ入り。「一番、稼いでいるのがオリックスの中川君なんで、このピッチャー3人は何をしとんねんという話。これからまだまだ長く野球したいし、(3人も)すごいなと言われたい」と共闘での飛躍を誓った。