日本ハム山本拓実投手(23)が13日、すべらない北海道移住トレ話を披露した。今オフから自宅を札幌に構えた右腕は、北海道・北広島にあるエスコンフィールドで自主トレ。雪道を運転して本拠地へと通う日々から、野球へと通じる万事共通の教訓を得た。髪色も人生で初めて明るくした愛称「やまーん」は、あえて1軍本拠地に生活拠点を置いた深イイ話も明かした。

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山本拓は最善の注意を払ってエスコンフィールドに到着した。「ゆっくり来てます。安全運転で、制限速度マイナス10キロぐらいで」。この日は前夜から降り積もった雪道だったが、事前に聞いていた、いろんな人からの助言を運転に生かしていた。「多少、滑っても焦らない」「急ブレーキより、徐々にブレーキを踏みながら」。スリップしても、慌ててハンドルを切ったりはしない。「それを実践していたら意外と大丈夫」という“すべらない話”から大事なことを学んだ。

「滑っても、落ち着いて準備しておけば大丈夫かなって。だから、準備って大事。マウンド上や何事にも役立つんじゃないかなと」

オフに出演したトークショーでも実感した。「トークも一緒で、多少スベっても話を止めずに言っちゃったら意外とウケた、みたいなこともある」。しっかり準備し、何が起きても慌てないことでエピソードトークも“すべらない話”に昇華させられる…。雪道運転から得た教訓はマウンド上でも通じる心構えだった。

今オフから“道民”の仲間入りを果たした。今季途中で中日から移籍した山本拓は、日本ハムの選手の住宅事情を上沢に聞き、助言をもらっていた。

「『自分が絶対に1軍にいるんだっていう気持ちがあるんだったら札幌でもいいんじゃない』と。確かに、そうだなと思って」

自らにプレッシャーを与える意味も込めての“北海道移住”。2軍生活となった時に「早く抜け出したいと思えるように」と新居には空気清浄器やマットレスなどを新調して快適な空間を整えている最中だ。

12日には髪の毛の色を少し明るくした。「人生初の茶髪です。チームも自分も明るい1年になるように」との願いも込めて道民デビューした“やまーん”が、北の大地に根を張って、抜かりなく飛躍の準備を整える。【木下大輔】

◆日本ハム選手の住宅事情 04年の北海道移転当初は関東に自宅がある選手が多く、札幌滞在時は合宿所やホテル暮らしが多数だった。現在は新庄監督をはじめとして北海道に居を構える関係者は多いが、2軍の千葉・鎌ケ谷とは距離があり、1軍当落線上の若手にとってはどちらに拠点を置くかは悩みの種。過去には、高卒5年目で退寮した若き日の杉谷が、「家を借りる予定はありません」と一時“住所不定”となったことがあるほか、札幌に部屋を借りたある選手は、2軍暮らしが長くなり、札幌のマンションの郵便受けがあふれて管理人に心配された例もある。

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