広島栗林良吏投手(27)が、日本人最速100セーブ達成に挑む。14日、トヨタ自動車の練習拠点、愛知・豊田市のトヨタスポーツセンターで自主トレを公開。2年ぶりの古巣での実施で、1月から愛知黎明(れいめい)野球部の2学年後輩で、治療家の音川耀佑トレーナー(25)と契約し、治療やトレーニングの指導を仰いでいる。この日はキャッチボール、ノックを行い、約250メートルの坂道ランニングを5本走るなど、精力的に体を動かした。

100セーブの日本人最速記録は、元ソフトバンクの馬原孝浩の178試合。3年間で156試合に登板した栗林は大台まで残り14セーブで、21試合で達成となれば登板数の最速記録更新となる。「記録が残ることはうれしいこと」と意欲を示しつつ、「去年『セーブ王を目指す』って言ってつまずいているんで。登板数だとか、防御率にこだわって、必然的に記録がついてこれば」と話した。

昨季は3月のWBC参加時に腰痛を発症した影響もあり、55試合で3勝7敗、18セーブ、15ホールド、防御率2・92に終わった。今オフは体の「バランス」をテーマに体幹トレーニングなど体作りに注力。「慌てすぎず、自分のペースで開幕にしっかり合わせていければ。1年目はすごくスローでやらせてもらったので、そういう感覚でできれば」とキャリアハイの成績を残した1年目同様のスロー調整に取り組んでいる。

この日のウオームアップではドジャース大谷翔平も使用している色によって重さが変わるドライブライン・ベースボール社製のプライオボールを使って壁当てを実施した。同社のスタッフが来日した昨年11月に九里、森下とともに最先端の知識を学び、「教えてもらったことを、何か1つでも得られるものがあると思って継続してます」と今オフから導入した。同社のスタッフからスイーパーを伝授され「『すごい器用だね』とほめてもらったんですけど、終わったらすごく肘が痛くて。(投げ方的にも)今は自分に合ってないのかな」と習得は見送った。

プロ4年目のシーズンへ向けては、「チーム最多登板」と「防御率1点台」を目標に掲げた。「何とかうまくスタートダッシュを切りたい。キャリアハイを出せるように」。絶対的守護神に返り咲き、セーブを重ねてチームを6年ぶりのリーグ制覇へと導く。【古財稜明】

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