勝利の方程式の一角を狙う阪神石井大智投手が、キャンプに高額の秘密兵器を持ち込む。兵庫・西宮市の鳴尾浜での練習後に、投球の回転数や変化量などを数値化できるデジタル機器「ラプソード」を昨年12月に自腹購入していたことを明かした。「データを測るだけじゃなく手元も見たい」と投球時のリリースを確認するため、スローモーション動画を撮影できる「インサイト」も同時購入。自作するケースと合わせ総額約100万円の自己投資だ。22年には100万円超の治療器具も購入しており「奥さんに怒られるかな」と笑いを誘った。

新たに手にした相棒は、2月の春季キャンプでも使用する。昨季から投げ始めたフォークは「キャンプの時が理想」だったというが「シーズン中に欲が出て回転の軸などがズレてきてしまった」と振り返る。沖縄のブルペンでも駆使すれば、瞬時にリリース位置のスロー映像や変化量のチェックが可能で改良に役立てられる。昨年のキャンプ期間は球団の弾道測定器トラックマンを「ビーズリーと取り合いになった」と苦笑したが、今年は待ち時間発生の心配もない。

オフは2750万円増の推定年俸4000万円で契約更改。惜しみなく財布のひもを緩めたのには、確かな理由がある。【中野椋】