再び頂点へ、機は熟した。ソフトバンク小久保裕紀監督(52)が21日、都内の第一ホテル両国で行われた母校・青学大主催の「小久保新監督を応援する会」に出席した。王貞治球団会長(83)も参列し、冒頭のあいさつで小久保ホークスの全力サポートを約束。教え子の晴れ舞台で7分弱の熱弁を振るい、4年ぶりのリーグ優勝へ猛ゲキを飛ばした。

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「機は熟した」。83歳の「世界の王」が小久保裕紀について7分弱の熱弁を振るった。

「小久保君にはこの2年間を生かして今年からの監督業に生かしてもらいたい。心を鬼にして選手を変えたりなんかもしなきゃいけない。素晴らしい向上心とチャレンジ精神を持っている。十分機は熟した」

パーティーの冒頭。集まった青学大の関係者も真剣なまなざしで耳を傾けた。

小久保監督は2軍監督を2年間務め、昨オフ1軍に昇格した。王会長の言葉には「ありがたいです」と感謝し「本当にあの2年間は僕にとってすごくプラスだった」と言う。「Z世代」といわれる若い選手との向き合い方や、チームマネジメントをファームの長として培った。「今の時点ではいい時間になったと思っています」。満を持しての1軍監督就任だった。

20年以来、リーグ優勝も日本一も遠ざかっている。王会長は「前のことは自分には関係ないという形で割り切って。とにかく結果が全て。チーム一丸となって支えていく準備はできております」と力を込め、4年ぶりのリーグ優勝奪回へ全力サポートを約束した。95年から08年に王監督率いるダイエー、ソフトバンクを支えたのが小久保監督。教え子の晴れ舞台で猛ゲキを送った。

小久保監督は青学大の恩師や先輩、同期から新監督就任の祝福を受け「催してくれた方々に対して返せるのは勝つことしかない。勝った後にまたこういう場で皆さんに恩返しを」と気を引き締めた。

球団からは「強いチームを作る」「王イズムの継承」「最先端技術を取り入れた指導」と3つの宿命が課されている。特に「王イズムの継承」とは、主力がチームの先頭に立って若手の模範になること。「そういうチームを再び取り戻す。今それが出来ていないという訳ではありません。よりそこを強調しながらチームを作っていきたい」。幾多の激励を受け、目指すべき方向を再認識した。

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