今季の復活に懸ける2人が、千葉・鎌ケ谷で汗を流した。巨人を戦力外となり、5年ぶりに育成契約で日本ハムに復帰した鍵谷陽平投手(33)は23日、ランニングなどで汗を流し、今月下旬から参加する沖縄・名護での先乗り自主トレに備えた。目標は早期の支配下昇格。ベテラン道産子右腕は、故郷北海道で鮮やかに復活する日を思い描いている。また昨年11月に右手首の手術を受けた矢沢宏太投手(23)は、術後初めてロングティー打撃を行った。

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背水の覚悟で古巣に戻った右腕は、ヤル気に満ちていた。千葉・鎌ケ谷で練習を終えた鍵谷は「懐かしいっすね。古くなりましたけどね」と、プロ入りした11年前に門をくぐった勇翔寮を、まぶしそうに見上げた。移籍先の巨人で昨年末、戦力外に。現在は左足を後ろに引いてから上げる投球フォームを「試しにやっている感じです」。今年34歳を迎えるベテランは、再起を懸けて新たな取り組みに挑戦中だ。

年明けから沖縄・那覇で中大の先輩、ロッテ沢村らと恒例の合同自主トレを行い、鎌ケ谷へ戻ってきた。「今までは、あまり助走をつけない動きだったんですけど、年々、体も変わってきているので。勢いをつけるイメージで、どういう球がいくか、コントロールは安定しているか、チェックしながらやっています」。助走をつければ、余力が生まれる。「全力で投げなくても、しっかりボールがいくようになれば、体の負担にも変化があるかなと」。前日22日にはブルペン入り。昨年末から既に6~7度目で、キャンプイン後のアピールを見据えて、例年よりハイペースで仕上げている。

北海道七飯町生まれ。2月1日から参加する2軍キャンプ地の沖縄・国頭は、北海時代にも合宿で汗を流した原点の地だ。「(国頭村長の)知花さんと仲が良いので楽しみです」と意気込む。プロ入り1年目から頭角を現し、主に中継ぎとして活躍。16年には日本一も経験した。目指すのは、新本拠地のエスコンフィールドだ。「1度、エスコンに行って、ファイターズのスタッフの方、会社の方と久しぶりに会って。久しぶりに会う人ばかりだったので、うれしかったです」。恩返しの舞台に立つべく、汗を流す。【中島宙恵】

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