報道陣が、四股を踏むポーズをむちゃぶりした。ヤクルトの育成ドラフト2位高野颯太内野手(18=三刀屋高)は「マジッスか?」と引きつった表情のまま、埼玉・戸田球場の芝生の上で左足を大きく上げた。公称は身長176センチ、体重90キロ。新人合同自主トレ第5クール初日の26日、その体重が増加していることが判明した。「今は98キロです…」とばつが悪そうに言った。「寮のご飯がおいしくて、おいしくて…」。特にお気に入りだと言う、肉うどんに箸が止まらない。

入寮時には、幼少期から大好きなベイマックスのぬいぐるみを持参した。「おなかの出方が似ている」愛されキャラクターだ。あだ名はないが「結構力士と言われる」。入団前のメディカルチェックでも、青木と会った際に「朝青龍みたいな体をしている」と言われた。この日のフリー打撃では、ボールを押し出すように球をつぶした。ガッチリとした体格で、徳俵を踏ん張るように強振。「ごっつぁんです」と言わんばかりに、左翼へ柵越え2発で寄り切った。

背番号は026。1年目。角界で言えば、序ノ口あたりか。2月1日からの春季キャンプも2軍スタート。ランニングメニューは他の新人が陸上トラックを走る中、1人だけポール間走で汗を流す。当面の目標は「体重90キロくらいまでは戻したい」だが「支配下になって、早く1軍で活躍すること」と番付を上げる夢を忘れたことはない。“燕の力士”が、球界の横綱を目指す。【栗田尚樹】

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