金の卵は2人のドミニカン右腕! 阪神岡田彰布監督(66)が26日、今月中旬に行ったドミニカ共和国での入団テストから、育成契約で2投手を獲得することを明かした。ともに150キロ近くの剛球を投げる右腕で、年齢は24歳ぐらい。指揮官は中長期的な視点で育成する方針だが、結果を残し続ければV2への戦力になる可能性も十分ある。

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タイガースドリームを目指し、2人のドミニカンがやってくる。サンテレビ出演前に甲子園を訪れた岡田監督は、「見たよ、映像。2人くらい取るみたい」と説明。今月に行ったドミニカ共和国での入団テストで、育成契約で2投手を獲得することを明かした。

選ばれたのは、ともに150キロ近くの直球を投げる2人の右腕。「若いし、24(歳)くらいかな。2人とも。まとまってるというかな。コントロールも、そんな悪くないみたいやし」。米マイナーリーグでも一番下のルーキーリーグあたりでしかプレー経験がない、文字通りの原石だ。

「(ドミニカ共和国では)そんな練習もしてないと思うから。日本でな、鍛えたら化ける可能性があるピッチャーやと思う」。来日は早くて3月となる見込みだが、新たな環境で一気に才能が開花するかもしれない。「日本の野球にね、どれだけ対応できるかやけど。初の試みやから、1人でも2人でもな、そこから支配下とかなれば、そらプラスなると思うけどな」。

指揮官は中長期的なスパンで見守る方針だが、2軍で結果を残し続ければ、今季中に1軍戦力になる可能性も0ではない。実力は未知数だが、大当たりならもうけものだ。前回指揮を執った08年には、育成でベネズエラ出身のアーロム・バルディリス内野手を獲得。「バルはよかったよ」。移籍した来日3年目の岡田オリックスで花を咲かせた例もあり、指揮官も楽しみでしかないようだ。

今回のテストはOBの藤川球児球団本部付スペシャルアシスタント(SA=43)も派遣するなど、初めて海外で大規模に開催した。「めちゃくちゃ人数来てたみたいやけどな。70人くらい」。日本一チームのユニホームが、ジャパンドリームを夢見るドミニカンの憧れになったことは間違いない。入団テストは来年以降も続ける方針。継続することで、新たな可能性も広がる。「これで日本に行けるみたいな形で、1人でも2人でも取っておけば、来年以降もまた違ってくるやろな、選手も」。岡田阪神が挑戦する新たな試みが、戦力発掘の新ルートになりそうだ。【磯綾乃】

◆バルディリスの活躍 08年に阪神に育成契約で入団し、同年5月2日にに支配下登録された。阪神での2年間は33安打、4本塁打で戦力外となったが、10年からオリックスへ移った岡田監督に拾われて急成長。同年116安打、14本塁打で三塁のレギュラーに定着。11年には自己最多の18本塁打を放った。14~15年にはDeNAでプレー。10年から6年連続で100試合以上、100安打以上、そして2桁本塁打と抜群の安定感を見せた。三塁守備の評価も高く、岡田監督の目利きで大きく花開いた。

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