広島カープと広島・廿日市市、中国新聞社が29日、廿日市市内で会見を行い、同市内にある練習場と選手寮のファーム施設を移転する計画を発表した。3者が連携協定を締結した。中国新聞社が同市内に所有する「ちゅーピーパーク」内の土地を球団が購入し、40億円超の費用をかけて「大野ファーム施設(仮称)」を建築する。29年末に完成の予定。

現在の大野練習場は1980年、大野寮は84年に完成し、選手育成の拠点となってきたが、老朽化が進んでいることに加え、今後の選手育成には敷地が手狭になっている事情もあり、球団は新施設を造る計画実行に踏み切った。「ちゅーピーパーク」は大野練習場の北西に位置し、敷地内にあるプール用地を活用する。

会見に出席した広島カープの松田元オーナー(72)は「大野は父親が買って造った施設で、愛着がある。なんとかあそこで(新施設を)造ろうと思ったが、どうしても狭すぎる。困っていたところにいいお話をいただいた」と決断の背景を説明。「うちは育成のチーム。これから育成選手ら若い選手を育てていくには(寮に)50室くらいは欲しい。室内のブルペンも3人投げられるかどうかだし、投手と投手の間も狭い。何より、これからの分析系の拠点として、投手、打者それぞれ分析した結果をすぐに選手と話ができる設備を造っていきたい」と語った。

松田オーナーは練習見学のファンと選手が交流できる場も設けたい考えも示し、「屋内練習場で練習している選手を見られるような場所をうまく造りたい」と続け、ファーム施設で提供される昼食をファンも食べられるようなサービスにも言及した。

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