スイッチヒッターの楽天田中和基外野手(29)が7日、本塁打量産を宣言した。沖縄・金武キャンプ第2クール2日目。全体練習後の特打で逆方向に1発をたたき込むなど、左右の打席で柵越えを連発した。今江敏晃監督(40)は「年間通して打席に立てれば20本を打てる」と田中和の覚醒を願った。

  ◇  ◇  ◇

田中和が、かつての姿を取り戻す。全体練習後の特打。外野のレギュラーを争う辰己涼介外野手(27)と並んで打撃ケージに入り、左右の打席から快音を響かせた。「今年はちょっと貪欲に、やっぱ昔みたいにホームランを重ねていきたいっていうように思って、今取り組んでます」。1発にこだわる決意を示した。

力強いスイングを心がけた。シート打撃は右で2打席に立ち、最初は弓削隼人投手(29)の直球を捉えて左翼フェンス直撃の二塁打。「しっかりボールも見れて、振り抜けたんで良かったかなと。自分のスイングができたと思います」。2打席目は四球を選んだ。

昨季はシーズンを通して1軍に同行し、95試合に出場も、守備固めや代走での起用がほとんど。スタメンはわずか7試合で、打率8分8厘、2本塁打、3打点と打撃面で結果を残せなかった自身を「守備と走塁の人」と客観視。さらに「バッティングに対する自己評価というのも下がっていた」と自信を失いかけたが、今キャンプでは復調をアピールしている。

今江監督が楽天の主力だった18年。プロ2年目の田中和は打率2割6分5厘、18本塁打、45打点、21盗塁をマークし、新人王に輝いた。それ以降のキャリアは苦しんでいるが、本来の力を知る指揮官は「日本人のスイッチであれだけの飛距離が出せるのは、なかなか作ろうと思っても作れない部分がある」と力説。「本当に彼の力を出せば20本は打てると思います」とポテンシャルを高く評価する。

田中和の打棒が復活すれば、楽天打線にとって“大補強”になることは間違いない。【山田愛斗】

【キャンプ写真特集】早出練習、ブルペン、視察/撮るキャン!