楽天黒川史陽内野手(22)が、二塁のレギュラーをつかみ取る。沖縄・金武キャンプは今日10日から第3クールが始まる。智弁和歌山から19年ドラフト2位で入団した若武者は、今季で5年目を迎える。キャンプは5年連続の1軍スタート。ルーキーイヤーから1軍でプレーも、21年の34試合出場が自己最多だ。期待の若手枠から脱却し、大ブレークを果たす。

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黒川の1日は早出練習から始まる。連日、居残りで汗を流し、練習量はチーム随一の努力家だ。「監督が代わったので、とにかくアピールすることと、大卒1年目のようなワクワクした気持ちでキャンプに臨もうという思いでやってます」。昨秋のドラフトで入団した大学生は同学年。プロの先輩として「負けられない」という思いは特に強い。

主戦場にする二塁のレギュラーをつかむことは簡単ではない。昨季盗塁王の小深田大翔内野手(28)を本命に、三塁から定位置を移す茂木栄五郎内野手(29)の壁も立ちはだかる。「実績ある方ばかりですが、結果を出し続けたらチャンスはあると思うので、信じてやります」と力を込める。

チャンスをつかむために3つのポジションで準備を進める。公式戦では二塁と三塁を守ることが多かったが「バントシフトとかでファーストの動きはあまり分からないんで、もし試合で出た時にという意味でやってます」。1軍では3試合の経験しかない一塁守備も新たなオプションにするべく、練習に励んでいる。

走攻守すべてのレベルアップを目指すが、今キャンプは打撃強化にフォーカスする。「僕は打ち続けたら多分試合に出られると思うので、とにかく打ち続けるというテーマでやってます」。昨季は初の開幕1軍入りも、9試合に出場して打率9分1厘、1本塁打、2打点にとどまった。今季は「スタメンで出た試合は1日1安打」を掲げ、快音を響かせる覚悟だ。

今江敏晃監督(40)は昨年の秋季キャンプから期待する選手として黒川の名前を挙げてきた。ブレーク候補で終わるつもりはない。「1日でも早くレギュラーを取りたいですし、長く野球をやりたいです」と黒川。今季こそ期待の若手を卒業する。【山田愛斗】

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