侍ジャパンの強化試合、欧州代表戦(3月6、7日=京セラドーム大阪)のメンバーに選ばれている日本ハム根本悠楓投手(20)が25日、広島とのオープン戦(名護)に3番手で登板。4者連続三振を奪うなど、3イニングを2安打無失点に抑えた。空振りを奪った落ち球に、新庄剛志監督(52)も「根本君のあのフォーク、いいね~」と絶賛。開幕ローテーション入りへ猛アピールした。

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若き道産子左腕が、緩急自在に“コイ料理”だ。1-2の8回2死一、二塁。マウンドの日本ハム根本が、ピンチの場面で打席に迎えのは、昨年11月のアジアCSでバッテリーを組んだ侍ジャパンのチームメート、広島坂倉だった。オープン戦とはいえ「だいぶん」気合が入ったという。フルカウントからの7球目、外角の143キロで遊ゴロに仕留めると、グラブをたたいて喜んだ。

6回から3番手で登板し、3イニングで打者11人全てから、初球ストライクを奪った。「(コースは)甘めでいいので、ファウルを取るために投げる意識で」。心の余裕が、球のキレにつながった。6回2死から7回は、4者連続空振り三振。とりわけ新庄監督の目を引いたのが、6回に石原を仕留めた落ち球で「根本君のあのフォーク、いいね~」と、指揮官をうならせた。

昨秋のフェニックスリーグから、投球フォームの改良に取り組んできた。開幕ローテ入りを争う大卒2年目の金村を参考に、テイクバックをコンパクトに。「最初は自分の思っている感じと球が、あまり合っていなかった」というが、今は違う。「体を少しひねって、左足にためて投げるというのを意識していたら、だいぶん良くなってきました」。手応えは今キャンプ一番だった。

開幕ローテ争いは、残り1枠。この日、先発した同じ左の上原ら、ライバルは多い。「他にもいっぱい良い投手がいる。まだオープン戦で投げると思うので、そこでアピールして入りたい」。3月に控える侍ジャパン強化試合でも、代表入りした20歳。世界基準の投手になるべく、進化は止まらない。【中島宙恵】