オープン戦3勝1分けと勝率10割をキープする日本ハムの劇的逆転勝利の中で、水野達稀内野手(23)が存在感を示した。阪神戦(札幌ドーム)に「8番遊撃」で出場。一挙5得点で試合をひっくり返した7回に中前適時打を放つなど、2安打2打点とアピールした。いまだ固定されない二遊間のレギュラー争いは、好調なチームでさらに激しさを増す。

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最大4点あった差を2点に詰めた7回1死一、二塁、水野が145キロ直球を中前にはじき返し、押せ押せムードを加速させた。5回のフェンス直撃適時二塁打も初球の直球を捉えたもの。「ミスショットせずに一発で仕留められた。2本出たっていうのは大きかった」。3年目となる新庄政権の公式戦では1度もない、4点差逆転勝利の立役者のひとりになった。

キャンプは2軍スタートも、2月15日に昇格すると自慢の打撃でアピールを続ける。打席ではややバットを寝かせる構えにモデルチェンジ。「不安はあった」というが、コンパクトにボールを仕留めにいく中でも、「角度がつけば長打も出る」と手応えをつかみつつある。

遊撃手争いのライバル上川畑は、左大腿(だいたい)部筋膜炎で10日間ほど実戦を離れることになった。新庄監督は、自身がメッツ時代、定位置を争っていたライバルが「結婚式か子どもが生まれたかでハワイに帰っている」間に打撃でアピールしてポジションを勝ち取ったエピソードを披露。「内野の子たちも、言い方は悪いですけど、今がチャンスという気持ちにならないと」とハッパをかけた。

遊撃では若手の奈良間、細川、16年目のベテラン中島、二塁争いでは石井、加藤豪らとの競争。水野は「野球をやってるからにはチームのレギュラーになりたいですし、1試合でも多くスタメンで出たいと思ってる」とキッパリ。オープン戦は残り15試合。「(上川畑に)『入るところねーじゃん』って思わせるくらいの活躍ができたらなって思います」。今季だけではなく、今後の野球人生をかけた、大事な3週間が始まった。【本間翼】

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