打撃タイトル「奪冠」を目指すヤクルト村上宗隆内野手(24)の今季1本目は、豪快な引っ張りだった。

初回2死一塁、中日小笠原の初球はインロー143キロ真っすぐ。わずかに腰を引いて見送り、ボール。2球目もインロー真っすぐだった。ただ、初球より中に入った。太い両腕を伸ばした先、バットの芯で144キロを食うと、右中間席へたたき込んだ。「いい角度で上がってくれました」と納得の軌道を描いた。

開幕まで、もう少し時間がある。あえて真っすぐ多めの左腕に対し、2球続いたその球を捉えた。が、「読みではないです」。前日に続き、与えられた3度の機会で「打席の中で球に対応すること」を考えた。その結果のオープン戦1号だ。真っすぐには対応できた。一方で4回の第2打席は一転して変化球攻めに遭い三ゴロ。ベンチで悔しそうな顔をした。シーズン開幕まで、精度を高めていく。

試合が終わるとチームを離れ、6日、7日に欧州代表戦を控える侍ジャパンへと向かった。「勝ちに貢献できるように頑張りたい」と短く明快に決意を示した。2月のキャンプでは左臀部(でんぶ)の張りで別メニュー調整となった時期もある。代表前の節目で、きっちり打った。高津監督も「一振りで2点取った。やっぱり大きな1本。ちょっと体調を崩すこともあったけど、ここまで順調に来てるのかな」とひと安心した。しばし、ヤクルト村上から日本の村上へ。次の1発は、チームを超えて野球好きを喜ばす。【古川真弥】

【関連記事】ヤクルトニュース一覧>>

【動画】ヤクルト・村上宗隆がOP戦1号弾 球場の空気を変える一撃で先制