“家”で暴れ回った。DeNAドラフト1位の度会隆輝外野手(21=ENEOS)が、プロ入り後初めて本拠地・横浜スタジアムでの初実戦に臨んだ。4試合連続「1番右翼」で先発し、1回先頭の第1打席、二塁への内野安打で初安打をマーク。5回2死一塁では右中間への一時勝ち越しの適時二塁打で、オープン戦の打率を5割に乗せた。幼少期から慣れ親しんだハマスタでひときわ光り輝いた。

   ◇   ◇

グラウンドから見える景色は格別だった。名前が横浜スタジアムでコールされる。度会は右翼守備につき、右翼席のファンへペコリ、ペコリと丁寧にあいさつ。「自分のユニホームやタオルを持って、応援しに来てくださる皆さんの声援というのはすごく力になります」とパワーをもらった。

かつてはスタンドからプロのプレーを眺めた少年が、高校、社会人を経てプロ野球選手としてグラウンドに立った。初めてハマスタに来たのは幼稚園児のころ。記憶も定かではないが、ヤクルトでプレーした父博文さん(52)の応援で駆けつけたのが原風景だった。 そこから横浜高に進学すると、県大会でしびれるトーナメントの舞台に。青春のうれしい思い出、悔しい思い出がしみついている。ENEOS入団後も大会の予選で使用。「雰囲気が大好きな球場。幸せです。今までで20試合はやってると思う」と回想した。

幸せをかみしめるようにグラウンド上で躍動した。1回先頭、3球目をたたいて二塁への内野安打。勢いそのままに2番オースティンへの2球目で二盗を成功した。進塁打で三塁へ進み、佐野の適時打で先制のホームを踏んだ。5回2死一塁からはロッテ・ダイクストラの初球高め152キロ直球を強振。剛速球にも負けずにはじき返し、右中間を破る適時二塁打で両手を掲げて喜んだ。

攻撃の中心は度会だった。全2得点をもたらし、オープン戦は12打数6安打の打率5割と好調をキープ。最後に優勝した98年に1番を務めた石井チーフ打撃兼走塁コーチの手ほどきも受けながら、開幕1番へ着々と近づいている。「1番ってすごく大事な打順。得点圏、打点、全ての打撃面において、一番最初からチームにいい風を持っていけるようにしたい」。度会が横浜の地を先頭から盛り上げる。【小早川宗一郎】

【関連記事】DeNAニュース一覧