そら使うよ。阪神岡田彰布監督(66)が5日、森下翔太外野手(23)に右翼のレギュラー当確を出した。侍ジャパンに選出された森下が出場予定の6、7日の欧州代表との強化試合(京セラドーム大阪)で、現状をチェックするかと問われ「どっちみち使うんやから」ときっぱり。バットを試行錯誤するなど沖縄・宜野座でのキャンプは低調な時期もあったが、新人の昨季右翼で75試合に出場して10本塁打を放った“本命”に開幕右翼を託す方針だ。

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24年初のゲームが雨で中止となった甲子園。岡田監督はごく自然な流れで、森下のレギュラー当確をにおわせた。6、7日の侍ジャパンの強化試合、欧州代表2連戦。「見る見る、それは。テレビやるんやろ。明日からやろ?」。続けて、森下の状態をチェックするかと問われて即答した。「いやいや、そんなチェックなんて。どっちみち使うんやから」。たとえ侍ジャパンで不発でも、森下を使う。この先も多少不調でも使っていく。よほどの不調や故障がない限り、3月29日の敵地開幕巨人戦のスタメンに「右翼森下」の名前を記す方針を明かした。

沖縄・宜野座キャンプでは、厳しくも温かく見守ってきた。初日には「変な打ち方しとったな。速攻でコーチに言っといたわ。あれじゃ打てへんのちゃうかって」と一刀両断しながら、特打までじっくり観察。今春から使い始めたピート・ローズモデルの安打量産型バットには厳しい言葉を連発。「(打球が)上がらんやろ? あのバットじゃ。いつか上がるバットに変えるやろ」と促してきた。

そして試行錯誤を続けてきた森下も実戦0本塁打の状況を直視。岡田監督の意をくみ取り、キャンプ終盤から昨年10本塁打した従来型のモデルに戻した。3日の日本ハムとのオープン戦(札幌ドーム)では3打数2安打。それまでの5試合は13打数1安打と低空飛行だったが、代表合流前最後の実戦で復調気配を見せ、指揮官の信頼も回復した。

右翼のライバルの1人、井上はこの日スタメン予定だったが雨で出番が流れた。指揮官は「今日なんか、ホームランでも打ったら全然違うと思うけど…」と、不可抗力の巡り合わせにも言及。流れ全体が森下に向いていることを認めた。森下も心置きなく、欧州代表戦に臨める。

これで両翼バトルの一翼に決着がついた。レギュラー決定は一塁大山、二塁中野、三塁佐藤輝、遊撃木浪、中堅近本、右翼森下。捕手は坂本と梅野を併用する方針で、残すは木浪と小幡で争う遊撃、前川とノイジーらで争う左翼になった。オープン戦残り14試合、開幕スタメンバトルが最終章に入る。【磯綾乃】

◆阪神の両翼バトル 岡田監督は中堅近本を除く両翼は白紙として沖縄・宜野座キャンプでバトルをあおった。右翼争いは森下が制し、左翼はキャンプ野手MVPの前川が、右肘痛で別メニュー調整中のノイジーをリードする展開。ミエセスや井上、小野寺、野口らが逆転を狙っている。岡田監督は「3と6のとこやからな」と3番と6番の打順は両翼をつかんだ選手に任せる方針を明かしている。

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