オープン戦8試合目での初黒星も、主砲にようやくスイッチが入った。日本ハムは新庄剛志監督(52)から開幕レギュラーに指名されている万波中正外野手(23)が、オープン戦初打点&マルチ安打と気を吐いた。投手陣は登板4投手すべて失点と崩れる中、打線のけん引役は、しっかり輝きを放った。

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鳴りをひそめていたロマン砲が、目を覚まし始めた。「6番右翼」で出場した万波は、2回1死二塁、楽天滝中の高めカットボールに反応した。鋭い打球は左中間に飛び、左翼手と中堅手が交錯。ボールが転がる間に、走者が生還し、自身も二塁に到達した。

4回2死でも左前打で出塁し、オープン戦初のマルチ安打。「普通に良かったなと。昨日かなり悪い感じからのマルチだったので。まだまだ良いとは言えないですけど、悪いなりに少しずつ対応できたってのはいいかな」。打点を挙げたのも対外試合8戦ぶり。「良かったです。はい!」と笑みがこぼれた。

新庄監督から真っ先に開幕レギュラーに指名されたが、なかなか調子が上がらなかった。本塁打は2日にエスコンフィールドで行われた2軍戦の1本のみ。オープン戦は前日まで9打数1安打と苦しんでいた。6、7日の侍ジャパン強化試合を経て、再合流後2試合連続フル出場。「4打席あると、いろいろなことを試すチャンスもありますし、何より久しぶりにフルで出られて、何とも言えない充実感がありますね」と手応えを口にした。

守備では、愛称を「万爆肩(まんばけん)」と「万放る(まんほーる)」の2案に絞った強肩も披露。初回無死二塁、右前打を放った小深田が二塁を狙うと、捕球から矢のような送球で、刺した。「いいプレーだったんじゃないですか。捕球から全くミスなくできたので良かったです。誰がランナーでも狙いますけど、小深田選手は足が速い。そうやって頭に入れながら。最大限急ぐようには心がけてました」。バットも肩も着火準備OK。チームはオープン戦8試合目で初黒星も、明るい材料が詰まった1敗だった。【永野高輔】

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