広島のドラフト3位、滝田一希投手(22=星槎道都大)が、感謝を伝える地元凱旋(がいせん)に向かう。

12日からの日本ハムとのオープン戦(エスコンフィールド)登板に備え、この日、帰北。開幕1軍への大事なアピールの場になるが「言葉を使わせてもらってるんで、ごあいさつできたらいいなと思って」と日本ハム松本剛との対面を心待ちにする。

滝田は大学3年だった22年5月6日、母美智子さん(享年53)を急性心筋梗塞で亡くした。6人兄弟を1人で育ててくれた最愛の母を失った直後から、松本剛の座右の銘「名もない雑草にも陽は当たる」が滝田の心を照らす言葉になった。プロ入り後はグラブの、手を差し込む位置に刺しゅうした。

滝田の思いは関係者を通じ、松本剛にも届いている。オープン戦3試合で無失点を続ける奮闘の成果として、日本ハム戦に同行し、松本剛に感謝を伝えるチャンスが巡ってきた。「日本ハムは特別なチームなんで、気合はもちろん入ると思いますし、思い入れのある球団なんで負けないように必死に、ど真ん中めがけて投げていけたらいいなと思います」と思いを吐露。相手本拠地のエスコンフィールドは、大学時代の遠征費用などにあてようと清掃のアルバイトもした場所だ。愛用のグラブに記した大事な言葉とともに、マウントに立つ。

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