日本ハム若林晃弘内野手(30)がトレード通達から32時間後、新天地で4番デビューを果たした。巨人時代に感じていた日本ハムの印象は「今まで想像してこなかったようなプレーをするチーム」。そのイメージの中心にいる新庄監督との初対面で「4番で行くよ」と言われた。「分かりました」と即答も、内心は「あ、こういうことか」。想像を超える新庄流サプライズを、身をもって体験した。

試合開始の5時間前。午後1時には背番号49のホームユニホームに袖を通して入団会見に臨んだ。「昨日(トレードを)言われて、今日は(ユニホームに)自分の名前も入ってるんで…そこまで早く準備していただけると思っていなかったので、ちょっと驚いてます」。まさかの4番スタメンで結果は4打数無安打も「久しぶりの1軍の試合を肌で感じられて良かった」と充実感を漂わせた。

粋な起用で新戦力を出迎えた新庄監督は「(4番は)さぁやるぞ、という気持ちにさせる場所。結果どうこうではなく、そういう気持ちにさせることが大事」と4番デビューの意図を明かした。「結果は出なかったですけど、紙一重」と打撃内容も評価。「明日(13日)はショートで見てみたい。リーグが変わって爆発する可能性もあるので(開幕までの)10試合ぐらいで判断したい」と、まずはチャンスを与え続けるつもりだ。

若林も、そのチャンスにがっついていく。トレードが決まった後に巨人前監督の原辰徳氏から激励を受けた。「僕の性格を、よく知っている方。僕が優しいっていうか、プレーでもそういう面が出てしまうので、もっと『がめつく』ではないですけど、そういう“お言葉”をいただきました」。11日午前10時のトレード通達から激動の2日間を終えて「疲れました」と話す笑顔には、充実感とモチベーションが詰まっていた。【木下大輔】

【関連記事】日本ハムニュース一覧

日本ハムトレードの若林晃弘いきなり4番出場 日本ハム-広島/スコア速報中