お待たせ1号。ソフトバンク柳田悠岐外野手(35)が実戦34打席目で待望の初アーチを放った。巨人とのオープン戦(ペイペイドーム)に「3番右翼」で先発し、1回に戸郷の143キロ直球を右翼席中段まで運ぶ、先制、決勝の3ラン。新加入の山川やウォーカーに、加入2年目の近藤が好調を維持する中、チームの顔にもようやく1発。開幕まで約2週間と迫り、超強力打線が本領を発揮してきた。

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柳田は確信していた。「(バットの)芯に当たったので、いい音がしました」。破裂音とともにペイペイドームは大歓声に包まれた。1回無死一、二塁の第1打席。戸郷の直球を右翼席中段まで運んだ。「戸郷選手からホームランを打ったのが初めてだったので、それが素直にうれしかった。打ったことのないピッチャーだったので」。プロ14年目。幾多のアーチを描いても、新鮮な感情が湧き起こる。

驚くべきは球団が計測した182キロという打球速度だ。この数字はドジャースで活躍する大谷翔平にも匹敵する。小久保監督に「まだ打球が若いなと思いました」と言わしめ、今年で36歳とは思えない痛烈な打球をかっ飛ばした。さらに昨季のパ・リーグ本塁打王の近藤は「あれはありえないです。あれ目指してます」と舌を巻き、過去3度の本塁打王を獲得した山川も「ギータさんは反対方向にも打てますし、引っ張ったらああいう打球がいく。後ろで見ててすげぇなと思います。エグイですよね」とあぜんとした。同僚のアーチストたちも驚く特大3ラン。それでも柳田は「まだ50%ぐらい」と言うから恐ろしい。

役者たちが本調子になってきた。西武からFA加入した山川はすでに実戦で4本塁打。トレードで加入したウォーカーは6回にオープン戦2号2ランを左翼席に運んだ。移籍2年目の近藤はマルチ安打で、オープン戦の打率は4割5分5厘と絶好調。柳田に待望の初アーチが飛び出し、安心材料はそろった。

柳田、近藤、山川、ウォーカーの4人が24年のホークス打線を引っ張るのは間違いない。4番は山川で内定しており、その前後の並びに首脳陣が頭を悩ませているぜいたくな状況。打順は不透明だが、超強力打線なのは間違いない。【只松憲】

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